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       Q
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    川合先生、初めまして、こんにちは。
    はじめてメッセージを送らせて頂きます、Yuiともうします。
    指のことで教えて頂きたいと思い、お問い合わせいたしました。
    人差し指のビブラートと、小指のマムシについてです。
    
    私の指は、右手左手ともに、人差し指が第2関節より上が中指側へ捻れております。そのせいかどうか分らないのですが、人差し指でのビブラートが上手くかかりません。弦で滑ってしまう様で、音そのものがズレてしまいます。そうならないように力を抜くと、今度は指を揺すっても変化が上手くできないのです。ガクガクぐらぐらしてしまいます。
    第1関節が曲がっているので、指を曲げるのも痛みがあります。
    こういう指でビブラートを掛けるのは無理なのでしょうか。
    
    それから、小指のマムシで悩んでいます。幾つか、バイオリンを教えていらっしゃる方のサイトやブログを回ったのですが、この指の状態がマムシと言うのだと書かれている程度で、直し方にはほとんど触れられていない様で……。
    小指のマムシを直す練習法などはないでしょうか。
    レッスンを見て頂いている先生からは、以前「そうなるのは、小指に力があるからだ、もっと力を抜いて」と注意を受けたのですが、力を入れなくてもペコンと関節が凹んでしまうので、どうしたらいいのか困っています。
    先生からそれ以降なにも言われなくなりましたが、弾く度に小指の関節がカコンカコンと鳴って痛いので直したいと考えています。直し方をご存知ではないでしょうか……。
    
    長々と失礼いたしました。
    お忙しいとは存じますが、お教え頂ければ幸いです。
よろしくお願いします。
     
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     A
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    ご質問は2つとのことですね。
    ・まむし指でのビブラートのかけ方
    ・指を矯正する方法はあるのか?
    まず、前者のまむし指のでの人差し指のビブラートですが・・・
    
        どの程度のまむし指なのか、実際にお会いしていないのでわかりませんが、指先の弦に当る角度を工夫することによって、ビブラートをかけることは可能です。
    
    
        言葉で表現できる範囲でのアドバイスとなります。ご了承ください。
    
    
        ビブラートがかかりやすい指は3→2→1→4の順番です。
    
 
    1指は、4指と同じくらいかかりにくい指です。
    理由は、人差し指は指板に一番近いため、可動域が狭いことにあります。
    1指のビブラートをかけるには、若干指板(ネック)から人差し指の付け根を離すとかかりやすくなります。
    この時に注意していただきたいのは、ネック下に親指を持ってこないことです。
    また、指ごとに手の形が変わるのは好ましくありません。
    あくまで、ビブラートをかける瞬間だけ、ほんのわずかに人差し指の付け根を指板から離すだけです。
    また、指先のビブラートがかかりにくいようですので、腕からかけると良いでしょう。
    奏法にも流行があり、最近は腕からかけるビブラートに移行しつつあります。
    腕では大きくビブラートがかかり、ドラマティックな表現になります。
    後者のまむし指の矯正についてですが、身体的な問題は、お会いしていないのに返答するのは難しいものがあります。
    これまで私が一般的に「まむし指」と言われる形状の指の人に会ったのは3人だけです。
    その3人は全員、小指のみ、まむし指でした。
    とても珍しいので、今ご師事されている先生も、なんとアドバイスしたらよいのか困っている状況であると推測します。
    私が以前指導していたまむし指の生徒ですが、矯正は試みましたができませんでした。
    小学1年から高2まで指導しましたが、一日1時間弾く(もともと多忙であまり練習が出来ない子でした)だけでは、骨格をまっすぐにするまでには至りませんでした。
    ただ、この生徒は、まむし指でしたが、演奏上で困ることはあまりありませんでした。
    小さいころからやっているせいか、まむし指ではあるものの、音程を取ったり、ビブラートをかけるにはあまり問題にはなりませんでした。
    形状は治りませんでしたが、演奏上の問題にはならなかったのは、おそらくそれなりに筋力があったからではないかと思います。
    男の子でしたので、そこそこ筋力はありましたから、問題にはならなかったでしょう。
    Yuiさまが、現在どれくらいのレベルなのかはわかりませんが、指の強化には3度音階が有効です。
    重音スケールはまだ始めておられないのでしたら、セヴィシックOp.1-1 No,23などをやってみると良いでしょう。
    また、HPに記載しております
トリルの練習 も、指の独立も兼ねた、筋力をつける練習になります。
    今回、Yuiさまからご質問いただき、複数の方にまむし指の矯正について聞いてみました。
    興味深いのは、元々まむし指だったのが、いつの間にか治っていた、という人が二人いたことです。
    おそらくは、楽器を弾くうちに、関節が開き、自然と矯正できたのではないかと推測します。
    これは本人も「右手は伸びてしまうので、やっぱり訓練なのでしょうか。」と仰っていました。
    そのほか、ピアノにおいて、まむし指は第1関節が弱く、指がつぶれやすいとのことでした。
    その際の矯正法ではテーピングテープを第1関節に巻き、指の形を補正して筋力をつけるのだそうです。
    これはヴァイオリンに応用できるかどうかは人それぞれですし、ケースバイケースですので、お伝えするにとどめます。
    結論としては、まむし指が矯正できるか否かは、人それぞれではあるが、長い期間をかけて徐々に矯正は可能です。
    大変、回りくどい返答になってしまい、申し訳ありません。
    あともう一つ申し上げたいことは、時間がかかっても諦めないで欲しいと思います。
    
    身体的な問題は、多かれ少なかれ、誰にでもあります。
    私は手が小さいです。そこをカバーするために、指の角度や手のひらの角度などを工夫してきました。
    現在指導している生徒さんで、50代後半から始めて、今はヴィヴァルディのコンチェルトを学習している方もいます。
    焦らずに、ご自分のテンポで習得していってください。
    どうか、ゆったりとヴァイオリンを楽しんでくださると幸いです。
    Yuiさまにとって、ヴァイオリンが生涯の友となりますように祈っています。
    
    この度は、ご質問ありがとうございました。(*^_^*)
    また何かございましたら、お気軽にご質問くださいませ。