役職編


<コンサートマスター>

第1ヴァイオリンの首席奏者は必然とコンサートマスター(女性の場合はコンサートミストレス)になります。日本では略してコンマス、コンミスと呼ばれます。オーケストラ全体の演奏上の責任を負います。

そのオケのヴァイオリンパートで一番上手い人がこの役を担当します。強いリーダーシップがとれることを要求され、一番アクション大きく弾くのは全員を引っ張っていくためです。皆は音の出だしのタイミング、音の切り方までコンサートマスターに合わせます。

コンサートの際は、オープニングで指揮者がステージに現れたとき、コンサートマスターが立ったら全員が起立し、座ったら着席します。ステージマナーのタイミングを出す役も担っています。

演奏前のチューニングは、コンマスの合図で開始されます。コンマスが立ってObに視線を送ったら、音だしはやめて静かにします。チューニングはオケの質を決定します。慎重にやりましょう。

弦楽器のボウイングは、第1ヴァイオリンが決定し、そのほかの楽器はそこを基準にボウイングを決定します。各楽器は同じフレーズを弾く時は基本的にコンマス優位でボウイングを決定しますが、絶対君主ではないので話し合いで臨機応変に変わります。

演奏でアンサンブルが乱れると、まずコンマスに合わせます。リーダーは常にコンマスです。演奏者全員がいつもコンマスの動向を気にしています。

また、指揮者とオーケストラとの意志の疎通を調整する役目もあります。

このようにオケ全体の統率を取るのが仕事です。会社で例えるならコンマスが専務、指揮者がワンマン社長です。


<トップ>

パートの首席奏者のこと。

ボウイング、演奏における弓の場所などの決定権がある。

そのパートの演奏上のリーダーであり、そのパートで一番上手い人がなりますが、その限りではありません。パートを取りまとめるべく、リーダーシップを持ちます。

演奏の入りのタイミング、音が切れるタイミングなどはトップにそろえます。皆はトップのことをいつも気にして弾きます。会社で例えるなら部長、課長かな?

トップが落ちるとみんな落ちたりします。責任重大。


<フォアシュピーラー Vorspieler(独) (トップサイド)>

コンマスや各パートトップの隣に座る人のこと。トップの補佐。次席奏者。

特にコンマスの隣はオーケストラ全体の統括をするコンマスの補佐役となり、コンマスがソロを弾いているときは、コンマスの役を担いオケ全体の統率をとります。


<プルトPult>

Pultは、ドイツ語で譜面台を指す。
弦楽器は譜面台を1台につき二人でペアを組みます。前から1プルト、2プルト・・・と呼びます。
客席に近い人が「表(out)」舞台中央に近い人が「裏(in)」とです。
弦楽器は基本的にずっと弾き続ける役割を担っているので、譜めくりのときに、音が途切れないようにするためです。譜めくりは基本的に裏の人がします。場合によっては表の人がめくった方がいいいときもあります。

*参考資料*

12型オーケストラ配置図。(1st12人 - 2nd10人 - Va8人 - Vc8人 - Cb6人)

オーケストラは、第1ヴァイオリンの人数で全体の規模が決まります。

第1ヴァイオリン6Pult12人の場合を「12型」と呼んでいます。